先生は燃えた?

もう顔は見れない。

でも、唯一。
前に私が撮った写真に先生が映ってた。

相変わらず頑固そうな顔。
声だってこんなに鮮明に思い出せるよ?

先生の話した雑談も、全て思い出せるのに、血の通った先生が居ない。

今すぐ急いでそっちに帰れば。あの学校にいけば。
嗚呼お久しぶりですね、なんて言っていつも通り話しかけてくれそうなのに。
私も、久しぶり、って笑ってそうなのに。

——あいつがタチの悪いウソついたんだよ、先生が死んだなんて言い出したんだよ。
——それ聞いて私何時間も泣いたんだよ、寝て起きても涙が止まんなかったんだよ。

——生きててよかった。

先生に抱きついて、存在を確かめながらそう言えそうなのに。

生徒としては一番先生が好きだと胸を張って言えるくらいなのに、私は先生の葬儀にすら行けなかった。
死んだことすらをも知らなかった。

毎日の様に先生を想ってがんばったのに。

ねぇ、私を褒めてよ。すごいじゃんって。
ねぇ、笑ってよ。話したいよ。