なんでこんなに心が痛むの?


優輝は最低の奴なのに…。


婚約者の1人や2人はもちろんいるはずでしょ?


(…なんで?)


そのあとも優輝の部屋へ行ったが、目を合わせられなかった。


「美怜、紅茶入れて。」

「あ、うん。」

「なんか、さっきから
ボーッとしてるけど
何かあった?」

「あ、別に。」

「そう。って熱い!!」


美怜は紅茶を思いっきりこぼしてしまい、優輝の服を汚してしまった。


「あ、ごめんなさい。
すぐに拭く。」

「……先に着替え手伝って。」

「あ、うん。」


そんなときでも一切目を合わせなかった。



その様子に優輝はおかしいとしか思えなかった。


一部に紅茶の染みが出来ている。


その服を脱いだ。


目の前には優輝の上半身がある。


(……///)


顔が火照ると同時に、雅様の言葉が脳裏に浮かんだ。


『優輝は私の婚約者なの。』


急に恥ずかしくなった。