「そ、そんなこと無い!……やばい//」
そして美怜が不意にこっちに顔を向けた。
とっさに茂みに身体を埋めた。
「何で、茂みに隠れなアカンねん。しかも一緒……」
「何というか条件反射」
優輝が見ていた先にいたのは美怜だった。
「やっぱ、好きなんやん」
「ばっ、そ、そ、そ、そんな訳ない//」
「フフフ……」
(やっぱからかうの面白いなぁ)
陸は、こんなにも人間らしい優輝を見たことが無かった。
顔を赤らめるなんて異例だった。
今までは無関心で適当に命令に従っていただけだったのに。
嬉しかった。
そんな相手を見つけられて。
「な、何だよ」
そして陸の微笑が悪魔の表情に一変した。
「あ、静香ちゃんもいてる。俺も行ってこよー」
棒読みで言う陸は関西弁にすることも忘れていた。
「…だから何だよ」
茂みにもたれてコーラを飲もうとしたときだった。
「じゃあ、優輝も行こかぁ」
コーラはそのまま置き去りにされてこぼれていた。