民の問題と言うことは。

「魔界は壊れてしまうの?」


「それは私にも分からないの。本当よ。けれど“世界が壊れる”と契約しているだけで、“どんな規模で”“どのくらい”“いつ”かも決められていないの。そこが抜け道なのよ。」


なるほど!
リリー・ルゥは頭良いなあ。


あれ。でも。


「もしかしたら誰かは不幸になるかもしれないよね?」


「そうね。断言は出来ないけど全員無事は無理かもね。」


リリー・ルゥは大した事ではないと言うようにさらりと言った。


「世界が壊れるのよ?多少の犠牲は仕方がないわ。でもこれで不幸な運命を背負う人はいなくなるのよ!国も自由になれるわ。嬉しい事じゃない?」


リリー・ルゥは、凛々の両手を強く握った。


凛々はその手をそっと外した。