「さっきから何やら騒がしいな。」

長い会議を終えて自室で休んでいたジャスティスは、庭に目を向け、言った。


「様子を見て参ります。」

と側に仕えていたバルゴが足早に出ていった。


暫くしてバルゴがマーサと共に戻ってきた。


「マーサ?どうした?何かあったのか?」


マーサは青い顔をしながら震えている。

返事をしないマーサに代わり、バルゴが答えた。

「大変申しあげにくいのですが、リリー·ルゥ嬢がいなくなったそうです。」


ガタン!

椅子が倒れそうな勢いでジャスティスは立ち上がり、一拍の間をおいて
「それは本当なのか?」
と、低い声で聞いた。


「申し訳ありません!」マーサがワッと泣き出した。

「私が散歩をお薦めしたばかりに!」

マーサはそう言うとその場に泣き崩れた。