昔を思い出すと涙がうかぶ。


メイドにとって、尽くすべき主に心を閉じられる事ほど辛いものはない。

それでも懸命に尽くしたが、結局黙っていなくなってしまった。


仲間達から随分責められた。あれほど近くにいて何故気づかなかったかと。どうして見張っていなかったんだと。


それに耐えきれず、仕事を辞めようとしていた私を引き留めてくれたのはジャスティス殿下だった。


皆を呼び、叱責した。
今は争って、一人に責任を負わせる場合ではない、一番の責任は自分にあると、頭まで下げてくれた。


一人の新米のメイドの為に。


その事があってから、私を責める仲間はいなくなった。


私は何があってもこの人についていこうと思った。


ジャスティス様に幸せになってもらいたい。



その一心で今日まで仕えてきたのだから。