歩きながら戸惑う事があった。

マーサの言う通り、辺りは夜なのに全く気にならない。なんでもはっきり見えるのだ。


知らなかったな。夜ってこんなに綺麗なんだ。


今の凛々の目には月明かりでも昼間のようにはっきり見えて、草花などは月光に輝き、きらきらしていた。


あちこちの草花を見ながら歩いて、ふと前を見ると池が見えた。


後ろを振り返るとお城がかなり小さい。


帰れるかな?方向は分かっているから平気だよね。


凛々は池の周りを歩き始めた。


マーサの話の通り、睡蓮が咲き乱れ、銀色に輝いていた。


なんて綺麗なんだろう。こんなの見たことないよ。


うっとりしているとゴンドラのようなボートが視界に入った。


そうだ!あれに乗ってもっと睡蓮の近くにいこう。

凛々は思い立ち、ボートへ向かって駆け出した。