年老いた僕の脳からはもう前ほど強い脳波を発する事が出来なくなった

人々は慌てふためいた

それはそのはず

声の発し方も忘れ、コミュニケーションはメールのみ、字の書き方すら忘れてしまったのだから

え、なぜ僕は字が書けるのかって?

そりゃあ君は自分の脳から発せられる電波で携帯電話を使いたいと思うかね?

自分の脳波を使う事に抵抗があった僕だけはコミュニケーションは声や自分で書く字で行っていたのだ

話を戻そう

そうしていくうちに人々は退化してしまった

猿の時代から築き上げた知恵をすべて失ってしまった

皮肉なものだよ

進化の末に手に入れた技術や知恵、便利に生きるコツのせいで猿となんら変わらない程に戻ってしまうのだから

これの記述を読んでいる君たちの時代がどのようなものなのか僕にもわからない