「別れやん?」





私が彼氏である蓮にそう言われたのは夏祭りの1ヶ月前。あまりにも唐突すぎて私はただ口をパクパクとさせることしかできなかった。

蓮は申し訳なさそうにごめん、と呟く



気付けば私の頬には涙が伝っていた。


「お願いやから泣くな。あやかの泣き顔見るんは俺一番嫌いや。」




蓮は優しいからそういってくれた。
図々しい私は最後にその優しさにわがままを言った。














「夏祭りが終わるまで私を蓮の彼女でいさせて…」








これが蓮への私の最後のわがままだ。