私が高校1年の入学式の次の日。
私には幼馴染の麻衣(まい)がいる。
ちょうどその日
麻衣は学校を休んでしまった。
なので、1人で学校から
帰っている途中だった。
ぽつぽつ、と降る雨。
春とはいえまだ寒い。
その寒さを雨が際立てた。
見慣れない通学路を
自転車で走る。
私な家に帰る途中に
公園がある。
その公園を通り過ぎる時だった。
ふと、目を公園へ向ける。
すると私と同じ学校の制服を
着ている男の人が
雨の中しゃがんでいた。
よく見ると、その男の人の
足元には捨てられてしまった
子猫が1匹だけいた。
その子猫に雨が当たらないように
自分の傘を子猫の上に立て
汗拭きタオルを子猫に
かけていた。
そう、その男の人は
坂口先輩だった。