「「え???」」




ハモった涼と文香の声。



やっちまった…



早坂をチラリと見ると、あちゃーっと言う顔をしていた。





「黒瀬くん…」




涼の泣きそうな声が聞こえたから、苦しくて仕方がなくて俺は起き上がった。





「…っ。ごめん」



涼の顔を見たら、存在を消して話を聞いてた罪悪感がすごくて思わず謝ってしまった




「千尋!違うでしょ…!!!」




文香の声に顔を向けると、珍しく焦る文香がいた




「い、いいのふみちゃん!!!わかってたことだもん!!!…じゃあ、先戻るね」




涼は笑いながら止まることなく話続けた。




「…涼?大丈夫?」



「大丈夫大丈夫!でも…今は一人にして?」





ごめんね



そう言うと涼は微笑みながら教室を出ていった




また引き留めることもできずに、ただぼーっと眺めていた。




…何なんだ、俺。





そこからいつも通りに後ろ向きモードに入ろうとしたら





「……っ!!!!」




声にならない声が出る。




右頬がじんじんと痛い