俺の気持ちは沈み、頭は正常に機能しない。




そんな状態のまま、涼と話すことも会うこともなく数日が経った





「おい黒瀬~」




あの日からよく俺のクラスに来るようになった早坂が今日もダルそうに俺を呼ぶ。




「お前いつまでそんな顔してんだよ~」




そう言う早坂の顔はからかっているようで、寂しそうだった。





「別に?元々こーゆう顔だよ」



俺は顔を見られないように顔を伏せた。




すると早坂ははぁ、と一度ため息をついて




「あっれー?文香ちゃんと涼じゃーん」




…と、明るく言った。





…もうその手には引っ掻かんねぇよ。



毎日毎日そんな嘘つかれてみろ。



さすがにもう騙されな…




「あー、早坂」




「おはよう、早坂くん」




たしかに、涼と文香の声が聞こえた…