「はあ……もう、何でいつもいつもこうなるんだよ……」
「す、すみません……」
「お前は悪くないだろ、タク。」

口の端に血を滲ませた拓真は、申し訳なさそうに肩をすくめながら俺達と部長を見上げた。

「タクはいいよ、被害者だし……お前達の気持ちもわかるよ、うん、わかるんだけどさ……」
「何だよ、俺等が悪いっていうのかよ、部長!!!!」
「そりゃそうだろ、ずっと1年をいじめて、掴みかかって殴って気絶させたのはお前等が悪い!!!!」
「うっ……」

何も言えなくなった先輩達は罰が悪そうに顔を背けると、チッと舌打ちをした。

「毎回いじめられて我慢してた1年が頭にきて取っ組み合いになるのは時間の問題だと思ってたけど……早かったなあー……」

また溜め息を吐いた部長は、まだ泣いているミーコの頭を撫でた。