「おーい、1年!!」
「「はい!!」」

今日は部長がいない日。

監督が今日のメニューを伝えると、用事があると言って出ていった。

つまり、今1年の俺達にとっては最悪の条件が揃ったということだ。

「今日、お前等バスケしなくていいから。」
「え……それって……」
「そのまんまの意味だよ、部室汚ねえから部室の掃除でもしてこいよ。」
「……でも……」
「ああ?文句あんのか!!?」

何か言おうとした拓真の胸ぐらを先輩がガッと掴んだ。

「……これでも文句あんのか?穂波!!!!」
「っ……!!!!」
「やめてください、先輩!!!!」
「チッ……とっとと掃除してこいよ!!!!」

ドンッと突き飛ばされた拓真は床に倒れた。

「タク、大丈夫か!!?」
「あ、うん、大丈夫……」

そう笑って立ち上がった拓真の手が、震えていた。