「何か楽しそうだな、俺も混ぜてー。」
「あ、勇大、遅い!!」
「ごめんごめん、先生に呼び出されてた。えっと……」
「俺は穂波 拓真!!好きに呼んでよ。」
「タクな、んで……」
俺を少し見上げるように見て、笑う男子。
「……武政 和彦だ。」
「カズね!!俺は花岡 勇大!!んで、こっちが幼なじみの笠井 都子ね。」
「あら、名前も可愛いじゃん。」
「う、うるさい、このチャラ男!!」
「ひ、酷いミーコ!!カズくーん!!」
「だから……ひっつくな。」
初日から騒がしいな……
ワイワイする俺達の元へ、部長がやってきた。
「俺が部長の玉城です。君等、よくこのバスケ部に入部してくれたね……ここは問題児ばかりで、僕や監督がいないと他の部員がやりたい放題なんだ。」
肩をすくめた部長は練習する部員を見回した。
「全員が全員そういう奴等じゃないんだよ、僕や他の何人かは真面目に部活してるんだ。でも、君達1年に強く当たったり嫌がらせする奴は出てくると思う。そしたら言って、一応部長の僕の言うことは聞くから。」
「「はい。」」
ニコッと笑って1人ずつ頭を撫でてくれた玉城部長は、とてもバスケが上手くて優しくて、頼れる部長だった。