「ねえねえ、確か……何とかカズって名前だったよね?」

ほとんど覚えてないな……

まあ、それも慣れたものだ。

「武政……和彦だ。」
「んじゃ、カズくんね!!」
「あ、ああ……」
「俺は穂波 拓真。普通に呼んでくれていいから!!」
「拓真……な。」

呟くそうに返事をすると、拓真は満足そうに笑った。

結構……いい奴かもしれない。

「あら、2人もバスケ部?」
「ん、そうだよー、あら可愛い子ちゃんじゃない。」

拓真が話しかけて来た女子の顔を覗き込むと、その女子は眉を寄せた。