2年前の春
俺は高校生になったばかりだった。
「うわ、あの人背、高いねー。」
「顔整ってるけど、無口で無愛想で……もったいないよね。」
「アイツ……何か怖いよな。」
ずば抜けて身長のデカイ俺は、1人目立ってた。
何をしてもしなくても、目立ってたし、無愛想なのもあって、孤立していた。
まあ、慣れたものだ。
「あはは、やだ~、穂波くんたら~。」
甘ったるい女子の声のする方を見ると、チャラそうな男子が笑っていた。
茶色がかった少し長めの髪の毛。
通った鼻筋にぱっちり二重、綺麗な形の唇に、特徴的な顎にあるホクロ。
ホクロはいいとして……
そいつは、いわゆる“イケメン”だった。