次の日、颯汰は学校に来なかった。

「先生、颯汰の家知ってる?」
「え?どうしたの、桐谷くん。」
「颯汰、昨日もいつもの公園に来なかったんだ。だから、颯汰の家に行って、颯汰に会いたいなと思って……」

そう言うと、先生はニコッと笑って簡単な地図を書いてくれた。

……俺の家から近いとこだ。

学校が終ると、俺はすぐに教室を出て走った。

「颯汰、颯汰……」

何もなければいい、元気に“レジじゃん!!”とか笑って言ってくれればいいけど……

どうしようもない、確証もない不安が俺を襲った。

「はぁ、はぁ……ここ、ここだ。」

そこは、古くて小さい、アパートだった。