「菊池は、みんなと遊ばねえの?」
ドキッ!!
僕の後ろの席の桐谷くんに声をかけられた。
そうだ……“きりたに”だから“きくち”、僕の後ろの席が桐谷くんの席だったんだ。
「う、うん……ぼ、僕人見知りで、みんなとうまく話せないから……」
「……バスケ、好きなんだ?」
「え?」
桐谷くんの唐突な言葉にきょとんとしてると、僕のランドセルを指さした。
「バスケットボールのキーホルダー。」
「うん……好きだよ、バスケ。」
「じゃあさじゃあさ、この前の高校バスケ観た?」
「うん、観た観た!!すごかったよね、あのドリブルとか!!」
「うんうん、それとさ、あの最後のあれ!!すごかったよな!!」
「あ、あれでしょ!!」
「「ブザービーター!!!!」」
桐谷くんと声が重なると、自然と2人して笑った。
「はは……僕、こんなに笑ったのはじめて!!」
「あはは……何だよ、大きな声出るじゃん。」
バスケ好きな子なんて、はじめてだし、何よりも桐谷くんと話せるなんて思ってもみなかった。