「はは、また怒られちゃった~。」


まだ少し痛むお腹をさすりながら、美姫ちゃんと結愛ちゃんが歩いて行った方を見つめる。

「先輩も素直になればいいのに。」
「え?僕は、素直でしょ?」
「あはは!!わかりやすいですもんね!!!!」

ニコニコ笑う1年生達。

「ふふふ、みんなも“大切な人”ができればわかるよ~、ね?レジくん?」
「…………うん、まあ……」

罰が悪そうに頭をかきながらレジくんが返事をすると、悠くん以外はわかったようにニヤニヤしていた。

「先輩こそ……」
「うん、そうだね~。…………まあ、その時がきたらきちんと伝えるよ。」

レジくんの肩に手を置きながらボソッと言うと、驚いたように僕を見て息を吐いたレジくん。

「……ですね。」
「うん。みんな、早く部活行こう~。」



ちゃんと伝えるよ。

今は嫌われてるかもしれないけど、自分にもっと余裕ができたら。


僕の気持ちを、美姫ちゃんに……




= Fin =