「ミズキはヤスのお気に入りだもんな!!」
「うん、そうだよ~。」
「あーもう、やめてよ!!気持ち悪い!!」

私はそう言って2人をその場に残して歩きだした。

「先輩!!私も一緒に部室行きますー!!」

パタパタと小走りでついて来た結愛を振り返れば、ニコニコと笑っていた。

「本当、あんたには癒されてばっかだわ。」
「えへへ~」

結愛は照れたように笑うと、小さい声で言った。

「ヤス先輩のこと、本当は嫌いじゃないんですよね?」
「っな、何言ってるの!!き、嫌いよ、あんな奴!!」
「ふふ、先輩も素直になればいいのに。」
「黙って聞いてれば、言ってくれるわね結愛~?」

そう言って私は結愛の頭をくしゃくしゃと撫でて、ボソッと呟いた。


「……ヤスには、内緒だからね?」
「わかってますよ。」


これは、まだ私と結愛だけの秘密。