「ヤス、どうしたんだろ?」
「うん、確かに今日のヤスは変だな。」
「何か……集中できてないわね。」
「……ダイとミズキが、いないから……」
聞こえてますよ、先輩。
わかってますよ、今の僕が集中できてないのくらい。
「久しぶりだな、ダイちゃんも美姫ちゃんもいない日なんて……」
つまり、“一人”てこと。
「はあ~」
『こら、溜め息ばっかついてると、幸せ逃げるよ!!』
美姫ちゃんがいたら、そう言ってくれるのかな。
『はあ……何で引き取ったんだ、父親にそっくりの子供を。』
『しょうがないでしょ?産んだのはお前だろ、って押し付けてきたんだから。』
駄目だ駄目だ、一人でいると思い出しちゃう。
「ヤス?大丈夫か、顔色悪いぞ。」
「あ、先輩……」
「無理しないで、ちょっと休んだらどう?」
「そうだぞ、あ、じゃあ俺が膝枕を……」
「拓真にそんなことされたら……死ぬ。」
「酷いよ、カズ!!!!」
ワーワー騒ぎながらも、僕の心配をしてくれる先輩達。