ダイに保健室でのことを話すと、ダイは溜め息混じりに笑った。
「やっぱりか……」
「やっぱり、て?」
「ヤスとは中学生の時にはじめて会ったんだけど、その時丁度ヤスん家が大変な時だったんだよ。」
そう言うと、ダイは歩きながら話しはじめた。
中学1年の頃、ヤスのお父さんとお母さんの喧嘩が絶えなくて、離婚の話があがってたこと。
そのせいで、いつもヤスが一人ぼっちだったこと。
その後、お母さんの再婚で、再婚相手に煙たがられてたこと。
大好きだったお母さんにも煙たがられ、半分人間不信になりかけてたこと……
「結局、ヤスの休まる場所はなかったんだよ。ただ、バスケしてる時だけは、楽しそうだったからさ。」
だから、俺はずっとヤスと一緒にいたんだ。
そう言ったダイは、いつもより大きく見えた。