都子は考え始めるといつもこうだ。 黙って口を尖らせながら、真剣な表情で考え事をする。 俺はその表情が可愛くて可愛くて、いつも笑ってた。 「あ、また笑った!!」 「いいじゃん、俺その表情好きだもん。」 「また馬鹿にして~!!」 顔を赤くしながら俺のことをポカポカ叩く都子。 「決めた、クラブには入らない!!」 きっぱりそう言った都子と目が合った。 そう言われたとき、ちょっと寂しかった、なんて都子には今も言えない。