そう言って先輩が腕を振り上げた。


殴られる……!!!!


そう思った時だった。

「や、やめて下さい、先輩!!!!」

美姫ちゃんが先輩の振り上げた腕を掴んでいた。

「お前もかよ、水原。鬱陶しいんだよ、離せよ!!!!」


バッ!!


「きゃっ……!!!!」


と先輩が振り払った勢いで、美姫ちゃんは壁に叩きつけられた。


ダンッ!!!!


「美姫ちゃん!!!!」


すごい音と、僕の声に気づいた他の先輩達が監督と顧問の先生を呼んで来た。

「美姫ちゃん、美姫ちゃん!!!!」
「頭を打ってるみたい、保健室に運ばなきゃ!!」