僕はさっきまで掴まれていた服を整えて、真っ直ぐ先輩を見た。

「ガキ、だと?お前が一緒にいる飯田の方がよっぽどガキだろうが!!!!」


ドクンッ……


「あんな声が馬鹿デカくて、元気が取り柄みたいな奴がバスケやってるほうが不思議だわ!!怪我のリハビリ?大してバスケが上手くもないのにバスケなんてするから、怪我するんだよ……うわっ!!?」

勝手に体が動いていた。

「お前みたいな奴が、ダイちゃんのこと悪く言うな!!!!」

3年の先輩の胸ぐらを掴んでそう言うと、先輩は少し怯んだあと、僕の腕を振り払った。

その衝撃で僕は床に倒れ込んだ。

「おい、安田。お前、いい度胸してるじゃねえの、ええ?」

そういうと先輩は僕の前にしゃがみこんだ。

「ちょっと、先輩、もういいじゃないですか!!」
「うるせえ!!部長がいないからって調子乗ってんなよな!!」