「あ、あの~お取り込み中すみませんが……」


控え目に言った香澄ちゃんの声で、あたしと蓮次くんはハッと我に返った。

「も、もう明かり……点いてますよ?」
「あ、ああ本当だあ!!」
「……だ、な、……」
「仕事……お仕事しなきゃ!!ちゅ、注文とってくる!!」
「あ、ああ……そうだな。」
「あのう……お2人とも、顔が赤いですけど、大丈夫ですか?」
「「大丈夫です!!」」
「そ、そうですか?なら、いいんですけど……」

明らかにおかしいあたしと蓮次くんの様子に、あまり触れずにその場を離れていく香澄ちゃん。

ホッと息を吐いて、切り替えて仕事に戻る。