「怒らないから、泣いたりもしないし、喚きもしないから、本当のこと言って?」

またううっと唸って顔を腕で隠すと、観念したようにボソッと言った。


「……口……です。」
「へ……っ!?」


何とも間抜けな声が出てしまった。

みるみるうちに、あたしの顔も熱を持ち始める。

てことは、て、ことはだよ?

「……ちゅう、しちゃった……てことだよね?」
「……い、言うなよ……恥ずかしいだろっ……」

お、おお……

蓮次くんって純粋なんだなあ、すっごく赤くなってる!!

「……悪い、俺の不注意で……」
「う、ううん!!蓮次くんとだから……別に、いいよ。」
「……そういうこと言うなよ……照れる。」

真っ赤な顔をした蓮次くんにそう言われて、頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。