急に結愛に後ろから抱きついたタク先輩を、カズ先輩が襟を掴みながら引き剥がす。
「すまないな……2人とも。」
「大丈夫ですよ~、ビックリしましたけど。」
「ちぇっ、2人ともお似合いだとか言われちゃってさあ~!!俺も女の子と手繋いで歩きたい~!!」
「うるさい……行くぞ、邪魔したな。」
「わあー、引っ張んなよカズ~!!あ、それと!!俺等も出し物してるから!!」
「……アイス売ってる。」
後で来いよーと言いながら、タク先輩は半分カズ先輩に引きずられながら去っていった。
「……そろそろ、教育戻るか。」
「そうだね。」
ふふっと笑った結愛と、また人の多い廊下を歩き始める。
「一般の人もいるから、人多いねえ。」
「そうだな、階段上るのしんどいな……」
人でわいわいとざわめく廊下を抜けて階段を上る。
「きゃっ!!」
「っ!!」
グイッ!!
「あっぶねえ……」
「あ、ありがとう、蓮次くん……」
人の間を縫うように通り抜け、階段を上っていると結愛が転びそうになった。
その結愛の腕を引いて、転びそうなのを支えた。