「結愛!!」
「あれ?蓮次くんも?」
「借りるな!!」
「え?いいよ、何借りるの……」
ひょいっと結愛を抱き上げる。
「…………結愛だよ!!!!」
きゃーきゃーとか、ワーワーと騒ぎ始める生徒達。
何でよりによって俺に当たるんだよ、“コレ”が!!!!
「結愛は走れないだろ?」
「あ、う、うん。だ、だけど……」
「舌噛むから黙ってろ、走るぞ!!!!」
「う、え、はいい!!!!」
軽い結愛を腕に抱えたままゴールに向けて走る。
「わわ、サッカー部と陸上部が恐い顔して近づいてくるよおお~!!?」
ぎゅっ
結愛は怯えたように言って俺の首につかまった。
「っ!!!!もうゴールするぞ!!」
パンッ!!
『1位、バスケ部ー!!!!』
「はぁ、はぁ、はぁ、……」
「れ、蓮次くん?大丈夫?」