ここで俺かー…


「えー、何だよ、これ~。」

叶多は紙を広げて溜め息を吐いた。

「何だよ、“女子のハチマキ”て!!」

少なくとも、俺は何の得もないんだけど!!

「あー、どうするか……ミーコ先輩だとヤス先輩に睨まれるし、結愛だとレジに睨まれる……」

だー、もう、あとは誰が……

「あ、そうだ!!」

俺はある人物のもとへ走った。


「……あれ、相田くんじゃないですか。」
「冬木さん、ハチマキ借りてもいい?」


俺は“女子のハチマキ”と書かれた紙を見せて苦笑いしながら言った。

「わ、私ので良ければ……どうぞ。」
「ありがとう!!すぐ、返しに来るから!!」

冬木さんは笑って「はい。」と言ってくれた。

「……何か、得したな……」

冬木さんと話せて、次の話題もできてちょっと嬉しい俺は颯汰に繋げた。

「よっしゃー!!いっくぞー!!!!」