先輩達から解放された私。

ホッとして、その場にぺたんと座り込む。


「まみ!大丈夫か?」


駆け寄って来た瀬戸は、しゃがんで私の両肩を掴む。


「うん……、大丈夫」


はははっ、と苦笑いしながら答える。


「先輩達に何された?」

「何もされてないよ。大丈夫」


心配させないよう、今度は笑顔を作り答える。

瀬戸に話したら、雨宮先輩に伝わるかもしれない。

雨宮先輩に心配や迷惑を掛けたくない。

瀬戸にも心配させてしまうだろう。

それに、あの先輩達にこの事を雨宮先輩に話したとバレたら、きっと黙っていない。

また呼び出され、そして今度は何をされるかわからない。

今は瀬戸が来てくれたからよかったけど。

もし、誰も来なかったら……

今だって、何をされたかわからない。