「あっ、瀬戸くん……」


肩で大きく息をしている瀬戸だった。


「な、何って……、マネージャーさんとお話していただけだよ、ねぇ」


私の髪を掴んでいた先輩は、パッと手を離す。

そして、後の二人の先輩も、話を合わせるように頷く。


「もう授業、始まっていますけど?」

「えっ?あっ、戻らなきゃ……」


さっきまで私に見せていた顔とは別人の顔で答える。

だけど、先輩はパッと私の方を向き


「雨宮くんにつきまとうんじゃないよ。言う事聞かないんなら、次はこんなんじゃすまないから」


私の耳元で、瀬戸に聞こえない様に言うと、先輩達三人は教室から出て行く。