だけど


「そんな事、聞いてんじゃないよ!」


私の答えに納得していない先輩は声を荒らげる。


「最近、部活が終わった後、いつも雨宮くんと一緒にいる事、知ってんだよ!」


そして、先輩は強い口調で言う。

後の二人は、それに頷く。


「それは……、雨宮先輩が後片付けを手伝ってくれているので……」


俯いたまま私は答える。


「どーせ、アンタが頼んでいるんでしょ。雨宮くんは優しいから断れないんだよ」


『そばに居たい』とは言った事はあるけど、『手伝って』なんて言った事はない。

って、そんな事こんな状況で言えるわけないけど。

私が黙っていると


「アンタが雨宮くんに付きまとっているの迷惑なんだよ!」


そう言って、肩をドンッと強く押される。


「きゃっ……」


……痛っ。


よろめく私は窓枠にぶつかる。