帰り道――…


私は雨宮先輩と並んで歩く。

歩くとたまに私の手と雨宮先輩の手が触れる。

雨宮先輩の手に触れる度に、さっきの事を思い出し、ドキドキしてしまう。

ドキドキして何も話せないでいたら、私の家はすぐそこの所まで来ていた。

ちゃんと、話さなきゃ……


「あ、あの!」

「何?」


緊張している私を、雨宮先輩は優しい表情で見ている。


「あ、あの、先輩……、付き合っている事、内緒にしたいんです」


私の考えた方法。

雨宮先輩と一緒に居たい。

でも、あの先輩達にその事がバレるのが怖い。

内緒と言っても、私は多恵や瀬戸に話しているのだから、すごく勝手な事を言っている。

それもわかっている。

だけど、この方法しか思い付かない。