コンコン――…


その時、部室の窓を叩く音が聞こえる。


「まみ、いるー?」


部室の外から多恵が声を掛ける。


「あっ、うん、いるよー」


別に見られたわけではないけど、急に恥ずかしくなり、パッと雨宮先輩から離れる。


「もう片付け終わったから帰るよー」


あっ、そうだ!

私、後片付けの途中だったんだ。


「多恵、ごめん!今行く」


外にいる多恵に向かって大きな声で答え


「すみません、失礼します」


私は雨宮先輩に向かってペコッとお辞儀をする。


「校門で待っているね」


雨宮先輩は私の頭を撫でながら言う。