「えっ……、えっと……。き、緊張して……」

「緊張?」

「雨宮先輩と会うと……、一緒にいるとドキドキが止まらなくて」


顔に出やすい私は、嘘をつくと絶対にバレると思う。

だから、全くの嘘じゃない理由でその場をしのぐ。

だって、本当に雨宮先輩といるとドキドキが止まらないから。

抱きしめられたままの私。

こんな近い距離で見つめられている今。

今だって、顔が真っ赤になっているに違いない。


「なら、もっとドキドキしてみる?」

「えっ?」


思ってもない雨宮先輩の言葉に驚く。

そんな私を見て、雨宮先輩は悪戯っ子のように、にこっと笑い、顔を近付けてくる。


えっ?

えぇーっ!?


私は目を真ん丸にして、心の中で叫ぶ。