私達のクラスの教室が近付いてきた時。

ちょうど、雨宮先輩がサッカー部の先輩と一緒にこっちに向かって歩いてくる。

雨宮先輩達は、教科書などを持っているから、きっと移動教室なんだろう。


バチッと雨宮先輩と目が合う。

だけど、その瞬間、私は目を逸らしてしまう。

雨宮先輩は、今、私が呼び出されていた事は知らない。

言わなきゃバレないのだけど……

でも、どうしたらいいのかわからず、私は目を逸らしてしまった。

だけど、部活の先輩でもあるわけだし……


「おはようございます」


挨拶をし、ペコッとお辞儀をして、私はそそくさと教室に入る。

雨宮先輩と目を合わせないまま――…