「…………何をしているんだ、お前は」






怒りをなんとか抑え込んだ低い声で、真っ直ぐ前を向いたまま灯は言った。





そんなことには構わずに、汀は灯の腹や胸を撫で回す。






「〜〜〜〜やめろ、馬鹿っ!



気味が悪いっ!!」






とうとう灯は振り返り、汀をぎろりと睨みつけた。





おそろしく不穏な気配が灯から漂ってきているというのに、汀は目を輝かせながら撫でまわす手を止めない。






「…………何を考えてるんだ、お前は!」





「…………わぁ」






汀は感嘆の声を洩らす。




そして、ぱっと顔を上げて灯を見上げる。






「蘇芳丸のおなかって、とっても硬いのね!!


すごいわ、私のと全然ちがう!!」