「だっ、大丈夫!? 蘇芳丸!!」






灯の身体の上に乗っかったまま、汀はわたわたと灯の顔を覗き込んだ。






「…………っ、う、苦し………」






苦し気に歪んだ顔で灯が呟くので、汀は慌てふためいた。






「えっ!? 苦しいの!?」





「…………はやく、どけ………っ」






汀の腕が思い切り、灯の胸を圧迫しているのだ。




しかも、灯の顔を覗きこもうと前のめりになっているため、その腕に全体重がかかっている。





そのせいで空気が吸い込めず、灯は呼吸困難に陥りかけていた。






「あっ、私のせいなの!?


ごめんなさいね!!」






汀はぱっと立ち上がった。





灯はまだ目の前に星が飛んでおり、腕で目隠しをするようにして寝転がったままだった。