「………まぁ、汀だから、さ」




「そうだなぁ、仕方ないな………」




「で、どうする? 群雲」




藤波が訊ねると、群雲はしばらく考え込むような仕草をしていた。




すると、これまで黙って話を聞いていた檀弓が口を開いた。





「………このまま都で、二人が戻って来るのを待っていてもいいんでしょうけど。


でも、なんだか嫌な予感がするのよねぇ」





「ふむ?」





群雲は眉を上げた。





「檀弓の直感は当たるからなぁ。


じゃあ、まぁ………青羽山に乗り込むとするか。



とはいえ、あんまり大勢で行っても、余計な波風を立てるだけだ。


俺と黒松、あとは道案内で藤波」





「えぇっ、俺も?


嫌だなぁ、もうこれ以上の面倒に巻き込まれたくないよ」






群雲の言葉に不服そうな顔をした藤波の額を、檀弓がぺしりと叩いた。






「こら、藤波。


お頭の命令は絶対よ」





「……………はい」