「で、つまり今、青羽山に灯も汀もいるんだな?」






「うん、そうだよ。


いちおう、青羽山の盗賊に囚われてる」






「そうか………で、藤波。


なぜお前だけは出て来られたんだ?」






「それが、さ………」







藤波は疲れた声でここまでの経緯をおおまかに話して聞かせた。




聞き終えた群雲たちは言葉を失った。






「………というわけで、今、灯と汀は青羽山のどこかにある泉へ、青瑞の姫に会いに行ってるってわけ」






藤波はそうまとめた。






汀が絡んでいるという時点で、一筋縄ではいかないことは覚悟していたが。






「…………思っていた以上に、面倒でこんがらがった状況になっているな………」






群雲は頭を抱えて仰向いた。