「………おい、お前たち」
やりとりを聞いていた息吹が、横から口を挟む。
「呑気に痴話喧嘩なんかしている場合じゃないんじゃないか?」
「え?」
息吹の言葉に、直垂を着終えた汀が振り返る。
「泉のほうを、見てみろよ」
息吹が後ろ手に指を差した方向に、汀と灯が視線を送る。
「…………あ」
「………………忘れてた」
そこには、この世の怒りと憎しみを全て背負ったような、恐ろしい形相の青瑞の姫がいた。
やりとりを聞いていた息吹が、横から口を挟む。
「呑気に痴話喧嘩なんかしている場合じゃないんじゃないか?」
「え?」
息吹の言葉に、直垂を着終えた汀が振り返る。
「泉のほうを、見てみろよ」
息吹が後ろ手に指を差した方向に、汀と灯が視線を送る。
「…………あ」
「………………忘れてた」
そこには、この世の怒りと憎しみを全て背負ったような、恐ろしい形相の青瑞の姫がいた。