大きく頷いた汀は、灯の頬をばちばちと叩いた。






「蘇芳丸!!


起きて!! 息して!!」






しかし、反応がない。






今度は拳をつくってごんごんと頭を殴る。






「蘇芳丸ったら、いつまで寝てるの!?


息しなきゃ死んじゃうのよ!?」







それでも、灯の瞼はぴくりとも動かず閉じられたままだった。







「…………どうしよう、蘇芳丸が死んじゃう〜〜〜………」







汀は泣きそうに顔を歪めて、勢いよく立ち上がる。







「すおーまろーっ!!」







そうして、遠慮なく満身の力を込めて、灯の胸の辺りを踏みつけた。







「…………ぐっ!!」







薄く開かれていた灯の唇の間から、苦しげな呻きが飛び出した。