汀の勝手な言い分に困惑はするものの、やはり目の前で人に死なれるのは良い気分ではない。







(そもそも、このまま火影童子が死んだら、こいつの勝ち逃げになる。



俺はこいつに勝てないまま終わることに………いやだ、それは許せん!!)







そう考えて、息吹は灯の首筋に指を当てた。




泉の冷たい水に体温を奪われ、その肌は驚くほどに冷たい。




しかし、小さくではあるが、皮膚の下で血の流れが脈うっているのが分かった。







「ーーーーー安心しろ、まだ死んだわけじゃないらしい。


心の臓は止まっていない。



たぶん、水を飲んだせいで息が出来ないんだろう」






「えっ、じゃぁ、大丈夫なのね?」





「でも、このまま息が止まったままだったら、すぐに死ぬぞ」






「…………っ、そんな………っ!!


じゃぁ、息をさせるにはどうすれば………?」






「とりあえず、水を吐かせろ」






「分かったわ!!」