それでも汀はめげずにぐるぐると腕や足を振り回し、青瑞の姫を攻撃する。





初めは無視を決め込んでいた青瑞の姫だったが、とうとう苛立ちを抑えきれずに灯を捕らえていた手を離した。




その手ですぐに汀の左腕をぐっと掴み、ぎろりと睨みつける。





その時、全身の力を失った灯の手が、きつく掴んでいた刀をふわりと手離した。




汀はすかさずその刀を右手に取り、青瑞の姫に向かって構えた。






静かな青い泉の中で、二人は無言のまま対峙する。






青瑞の姫との間に一つの泡がこぽりと漂ったのを合図に、汀はさっと右手を振り上げた。





青瑞の姫がはっと目を見開いた時には、灯に纏わりついていた髪を刃が切り裂いていた。






支えを失ってふわりと沈みはじめた灯の身体を、汀が慌てて抱きとめる。







(ーーーーーよしっ、すぐに上がらなきゃ!!


あぁ、息が出来ない、苦しい………)