青く透き通った泉の中は、半透明の泡が無数に湧き上がっている。






(…………あぁ、きれい………)






底など見えず、どこまでも深く奥まで続いているように見えた。






(…………なんて深いの………)





気を失って水に揺られるままにたゆたっている灯の身体の向こうに、青瑞の姫の蒼白い顔が浮かんでいる。





汀は必死で水を掻いて、青瑞の姫に近づいた。






(ーーー蘇芳丸を離して!!


このままじゃ死んじゃうわ、どうしてくれるの!?)






と、口に出すわけにもいかないので、その思いを込めるように強い視線を投げつけた。





しかしそんなものが通用するはずもなく、青瑞の姫はするすると灯の手を引き、泉の奥底へと連れて行こうとする。






(だめだったら!!)





汀は青瑞の姫の髪を思いっきり引っ張り、さらにその蒼白い顔を叩いた。




だが、もちろん、水の中なので大した威力はない。