『……………勝手なことを言うな!!
気品ただようその美しいかんばせーーー。
私が長年お慕い申し上げていたあの御方にまごう方もない!!』
青瑞の姫はうっとりしたような面持ちで灯の顔をじぃっと見つめた。
灯はぞっとして青ざめ、ぶるると身を震わせる。
汀が唇を噛み締め、灯の身体にしがみついている腕の力を強めた。
「そっちこそ、勝手なことをおっしゃるのはやめてください!!
蘇芳丸は私のものなんですっ!!」
「………………」
堂々と断言した汀を、灯が微妙な表情で見下ろした。
「…………ほう。
俺はお前のものなのか。
それは初耳だな。
一体いつの間に、そんなことになっていたんだ?」
灯は琥珀色の瞳にどこかからかうような色を浮かべて言う。
「あぁはいはい、それはまた後でね。
今はそれどころじゃないのよ、ごめんなさいね、蘇芳丸」
汀は青瑞の姫に向けた視線を逸らさないままに、まるで聞き分けの悪い子どもをあしらうように、言い放った。
灯は不機嫌そうに眉をひそめたが、黙って青瑞の姫に目を戻した。
気品ただようその美しいかんばせーーー。
私が長年お慕い申し上げていたあの御方にまごう方もない!!』
青瑞の姫はうっとりしたような面持ちで灯の顔をじぃっと見つめた。
灯はぞっとして青ざめ、ぶるると身を震わせる。
汀が唇を噛み締め、灯の身体にしがみついている腕の力を強めた。
「そっちこそ、勝手なことをおっしゃるのはやめてください!!
蘇芳丸は私のものなんですっ!!」
「………………」
堂々と断言した汀を、灯が微妙な表情で見下ろした。
「…………ほう。
俺はお前のものなのか。
それは初耳だな。
一体いつの間に、そんなことになっていたんだ?」
灯は琥珀色の瞳にどこかからかうような色を浮かべて言う。
「あぁはいはい、それはまた後でね。
今はそれどころじゃないのよ、ごめんなさいね、蘇芳丸」
汀は青瑞の姫に向けた視線を逸らさないままに、まるで聞き分けの悪い子どもをあしらうように、言い放った。
灯は不機嫌そうに眉をひそめたが、黙って青瑞の姫に目を戻した。