青瑞の姫は嬉々として、灯をきつく抱きしめる。





あまりにも密着させられたせいで、灯はせっかく手にした刀を使うこともできない。





しかも青瑞の姫の身体はじっとりと湿っていて、しかもひんやりと冷たく、灯の悪寒はさらに激しくなった。






「やっ、やめろ………気味が悪いっ!!」






思わず正直な意見が口をついて出たが、舞い上がっている青瑞の姫の耳には届かない。








『やっと私の愛の深さを分かってくれた………!!』





「はっ!? 知るかっ!!」







頬ずりでもしてきかねない青瑞の姫の顔を灯はしっかと手でつかみ、ぐいぐいと押しやりながら、思う。





(………こ、この思い込みの激しさと押しの強さ、そして傍若無人ぶり………似ている!!)





灯は思わず、背後の水際に倒れている汀に目を向けた。