青瑞の姫は微かに驚いたように目を瞠り、じっと灯と対峙する。






『…………そなた、は』






灯は足もとに力なく転がる汀を一瞬見て、すぐに視線を青瑞の姫に戻した。






「…………お前がどういうつもりなのかは知らないが。


これ以上こいつや俺に危害を加えるのなら、容赦しないぞ」






『……………』






「俺はあまり刀を使い慣れていないんだ。


申し訳ないが、いくら女とはいえ、手加減などできないからなーーー」







そう言って灯が軽やかに跳び上がり、青瑞の姫に向かって刀を振り下ろした瞬間。






『……………あぁっ!! あなた!!』







青瑞の姫が突然、喜びに潤んだ叫び声を上げた。






灯は面食らってしまい、一瞬動きを止める。





そのまま中途半端に振り下ろした刀と共に、青瑞の姫のもとに落ちた。